S&Dセレクション

<2020.5.8>新感覚フラワーパーク「HANA・BIYORI」

日本初!! マルチエンディング型 花とデジタルのアートショー誕生。

 

(株)よみうりランドは2020年3月23日、よみうりランド遊園地に隣接した日本庭園に新感覚フラワーパーク「HANA・BIYORI」(東京都稲城市)をオープンした。

 

▲ HANA・BIYORI館

 

新感覚のエンタメ型植物園


 HANA・BIYORIは、いろいろな角度から植物に焦点を当てた、新感覚のエンターテインメント型植物園だ。日本最大級となる300鉢を超えるフラワーシャンデリアが咲き誇る1,500㎡の温室や、日本の植物園では初めての常設となる「花」と「デジタル」を融合したアートショーにより幻想的な世界を楽しむことができる。また、可愛いしぐさが人気のコツメカワウソとのふれあいや、花の香りや彩りを体感するワークショップ、沖縄の海を彩る海水魚とサンゴの森が広がる大型アクアリウムなど、従来の植物園にエンタメ要素が多数盛り込まれている。
 なお、HANA・BIYORIは、よみうりランドが掲げる成長戦略「飛躍」のスーパー遊園地構想の第一弾。同社の企業スローガン“遊びを、まん中に。”を具現化しながら、植物や自然に触れ合う環境を創出することで、よりたくさんの人に植物の素晴らしさを知ってもらい、環境問題の意識向上や社会教育の場としての役割を果たしていくとともに、多摩丘陵の大切な自然を未来へ残していくという。

 

▲ HANA・BIYORI館で実施されている「花」と「デジタル」を融合したアートショー。300鉢を超えるフラワーシャンデリアが咲き誇る1,500㎡の温室内に、驚き溢れる世界が広がっていく。

 

 

▲ タケナカ専務取締役兼シムディレクト代表の長崎英樹氏。

 

 

総長60メートルの映像演出

 今回注目したのは、HANA・BIYORI館に登場した、日本初となる常設のマルチエンディング型プロジェクションマッピングだ。明かりが差し込むガラスの温室が暗転しプロジェクションマッピング(以下、マッピング)がスタートすると、そこは花とデジタルアートの世界に変身し、驚き溢れる世界が広がっていく。囲まれた壁面3面を使ったワイド総長60メートルにせまる映像演出は圧巻だ。
 映像はワイド11Kを超える解像度で、一瞬にして仮想空間へと引き込まれる。壁面に加え、シンボルツリー(樹齢推定400年を超える大樹であるパラボラッチョ)や吊り花といった植物へも投影を行っており、映像と融合することで魅せる、植物の新たな美しさも見どころのひとつだ。

 

 


▲ 今回のデジタル演出は、様々な演出技術が融合する「イマーシブ(没入型)空間の創造」がテーマ。プロジェクションマッピングを軸にしながら、音や参加型の仕掛けなどを加えることで、イマーシブ空間を実現している。また、来館者の感情を解析してエンディングが切り替わる「マルチエンディング」が取り入れられているのも特長だ。

 

 

来館者の感情に合わせてエンディングが切り替わる

 今回のデジタル演出では、様々な演出技術が融合する「イマーシブ(没入型)空間の創造」がテーマとなっている。マッピングを軸にしながら、音や参加型の仕掛けなどを加えることで、イマーシブ空間を実現。最後に、来館者の感情を解析してエンディングが切り替わる「マルチエンディング」が取り入れられているのも大きな特長だ。
 映像投影には明るさ7,000ルーメンのプロジェクター(エプソン社製)を20台使用、さらに立体音響システム(14.2チャンネル、合計18台のスピーカーを使用)により上下左右様々なところから聞こえてくる音が、よりリアルな空間を体感させてくれる。音楽や効果音は完全オリジナル制作のため、映像とリンクした音の動きを感じることができるという。HANA・BIYORI館における空間プロデュースは(株)シムディレクト、コンテンツ・プログラム制作からテクニカルプランを(株)タケナカが担う。
 タケナカの専務取締役でシムディレクトの代表を務める長崎英樹氏は以下のように語る。
 『HANA・BIYORI館にはベゴニアという花が飾られているのですが、今回の映像はこのベゴニアの妖精が登場し、いろいろなところを旅するというストーリー(7分)になっています。そして最大の特長は、マルチエンディングになっていることです。映像が始まって4分間くらいまでで来館者の表情を解析し、“喜び”と“感動”の数を自動で数値化、このパラメーターによってエンディング(最後の1分30秒)が決まります。喜びの方が多ければAパターン、感動の方が多ければBパターンというように2つのエンディングを楽しむことができます。
 また、レーザーとマッピングを同期させているのもポイントです。レーザーで照射した場所にマッピング映像を投影し、あたかもレーザーによって何かが生まれたかのような演出にしています。このほか、シースルースクリーンを使ったホログラム演出や、床面に投影された花に触れると花がまわるなどのインタラクティブな演出も取り入れています』。

 

 

▲ 床面の映像に触れることで、その映像の動きが変化するインタラクティブな演出や、特殊効果の雪の演出がより深い没入感を創出する。

 


 今回の映像コンテンツを制作するにあたりタケナカは、“違和感のない映像”になるよう心掛けたという。実際の植物にデジタル演出を加えていくのだから、色やコントラストの調整は簡単ではない。『植物に投影しても違和感のない映像にすることで、その空間はより没入感のあるものになります。来館された方には没入してもらい、ストーリーを楽しんでもらいたいです』と長崎氏は語ってい
た。そして、よみうりランド広報の奥谷祐氏も『HANA・BIYORI館は温室ですので、周りはガラスで、通常は太陽の日差しが入ってくる明るい場所です。その明るかった温室が一気に暗くなり、非常に綺麗な11Kの映像が映し出されます。また、マルチサウンドシステムを採用していますので、音も一方向からだけではなく、全方向から聞こえてきます。映像はもちろんですが、音の迫力もぜひ体感していただきたいです。フラワーシャンデリアと映像の融合に注目していただき、日本初のマルチエンディングマッピングをお楽しみください』と自信を示す。

 

【HANA・BIYORIに関する問い合わせ】
(株)よみうりランド
東京都稲城市矢野口4015-1
Tel.044-966-8717
https://www.yomiuriland.com/hanabiyori/

 

【空間演出に関する問い合わせ】
(株)シムディレクト
東京都千代田区六番町1-9 シンユニティ東京ラボ
Tel.03-5628-2896 Fax.03-6256-8186
http://www.symdirect.co.jp

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