事例集

これまで見たこともないような幻想的で感動的なマッピングが実現

6ヶ所のマッピングエリアを巡る ウォークスルー型プロジェクションマッピング

 2016年12月2日から11日までの期間、国宝であり世界文化遺産でもある姫路城(兵庫県姫路市)において、「世界文化遺産姫路城ナイトアドベンチャー煌~KIRAMEKI~」(主催:姫路城イベント実行委員会、以下KIRAMEKI)が開催された。普段は入ることのできない夜の姫路城内を一般に開放し、プロジェクションマッピング(マッピング)技術を中心とした映像スペクタクルショーとして公開された。


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 マッピングの総合映像演出は、2015年5月3日から5日に姫路城大天守を使って行われ、19万人の来場者を集めた姫路城3Dプロジェクションマッピングショー「姫路光絵巻『HAKUA』-新たなる羽ばたき-」にひきつづき、(株)タケナカが担当した。

 KIRAMEKIは、姫路城大天守のライトアップ(毎晩実施しているライトアップでマッピングではない)を背景に、西の丸、お菊井戸、備前丸、三国堀など6ヶ所で行われているマッピングエリアを巡るウォークスルー型プロジェクションマッピングだ。各スポットでは、姫路城ゆかりの人物、歴史などをマッピングの鮮やかな映像やオリジナル音楽により演出、ナレーションには声優の銀河万丈さんを起用。マッピングの映像監督は、タケナカ所属のクリエイターである伊藤大輔氏が担当した。

 今回のマッピングを企画した姫路市観光交流局観光文化部観光振興課係長の大山嘉文氏は『前回(2015年5月)のマッピングでは想定以上の人出があり、警備面でも大変苦労した。兵庫県警の協力もあって、何とかイベントを開催できたが、次はこれとは違ったかたちでマッピングイベントを実施したいと考えていた。試行錯誤を重ねた結果、大天守ではなく、有料入場エリアで料金を取ってイベントを行うことで、観客の分散化を図った。また、夜のツアー形式の開催でもあり、安全第一と考えて一日の最大入場者は3,000人までと制限し、チケットの販売を行った。姫路城内6ヶ所でマッピングを行い、ツアー形式で約1時間かけて1.3kmの距離がある場内を回る、新スタイルのマッピングイベントを実施した』と話す。


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水面に映る「逆さ姫路城」

 6ヶ所のマッピングエリアの中でも最大の呼び物は、最後のマッピングとなる三国堀「姫路城ヒストリア」である。幾度の危機から救われ保存されてきた姫路城、不戦不焼の城から世界へメッセージを届けるというストーリー。ここでは約90mの壁に映るマッピング映像とともに、水面にも映像が映りこみ、幻想的でこれまでに見たことのないファンタジーなマッピングを楽しむことができた。また、ライトアップされた大天守が映り込んだ「逆さ姫路城」が観られることでも話題となった。

 タケナカの長崎英樹プロデューサーは『会場全体で20台近くのプロジェクターを使っているが、クライマックスとなる最後の三国堀のマッピングでは、パナソニック社製の20,000ルーメンのDLPプロジェクターを6台使用した。タケナカの総力をあげて制作したマッピングであり随所に見所があるが、クライマックスのマッピングではお城の壁への投射映像が水面に映り、さらにライトアップされた姫路城大天守が水面に映るという演出を施した。これまで見たこともないような幻想的で感動的なマッピングが実現した』と話す。

 アシスタントプロデユーサーを務めたタケナカ子会社である(株)シムディレクトの濱田汐音氏は『マッピングのコンテンツ制作用メディアサーバーは、パンドラスボックスを中心に利用した。本番の上映ではブライトサインのシステムを利用して上映を行った』と話していた。


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200インチ透過型スクリーンを使った“お菊さん”の怖い演出

 徳川家康の孫・千姫が暮らした「西の丸」では、真っ白に輝く大天守を背景に、千姫のストーリーを絵巻物のように投影。さらにお菊井戸「播州皿屋敷伝説」では、長い時を越えてお菊さんが現在に蘇るという播州皿屋敷物語をモチーフにしたマッピングを行った。また、お菊井戸で実施された、200インチの透過型スクリーンを使用し、お菊さんの映像と音楽、ナレーションでより怖く見せるという演出は、タケナカならではのものだった。

 姫路市の大山氏は『子どもの安全確保に加えて、このお菊さんの映像があまりにも怖いので、小学生以下の子どもは入場できない処置をとった』と語っていた。このようにメインとなるエンディングのマッピング以外にも様々な映像演出が随所で展開されており、1時間という時間も十分に楽しめる内容となっていた。

 なお、このイベントは「姫路城の夜の活用」を模索する姫路市による、実験でトライアル的な目的も兼ねている。大山氏は『これを切っ掛けに夜間の城内安全面を検証し、今後の夜間活用や滞在型観光の促進に繋げたい。次回のマッピングは未定であるが、またこれまでとは違ったかたちでイベントを行ってみたい』と今後の展開にも期待を寄せていた。


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問い合わせ

(株)タケナカ
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